フグの定番【ふく刺し】
ふく刺しの豆知識
フグの代表料理【ふく刺し】がお客様に提供されるまでに、少しこだわりが有りますので紹介したいと思います。 ・
・三枚におろしたフグの身をサラシに巻いて熟成させます。サラシに巻くことにより余分な水分が抜け、豊富に含まれるタンパク質が旨味成分のアミノ酸に変化し、あめ色に変化していきます。熟成期間は1~2日です。 ・
・熟成したフグの身は、専用のフグ引き包丁を使い薄造りに致します。フグ引き包丁は一般的な柳場包丁よりも刃の厚みが薄く、繊細な薄造りに向いています。
・一人前づつ薄造りしたところに、ふく皮、高等ネギなど薬味を盛り付けご提供します。高等ネギは別名:ふぐネギとも呼ばれる、ネギ類の中で最も細く苦みのない高級ネギです。 ・
ふく刺しの食べ方
・ぜひ天然トラフグの旨味を味わっていただく為に、刺身を一枚そのまま何もつけずに召し上がり下さい。噛めば噛むほどフグの旨味と甘みが出てきます。 ・
・準備として自家製のポン酢に刻みネギ、もみじおろしを入れ
スダチをポン酢にしぼり香りを付けます。 ・
・高等ネギ3~4本をふく刺しで巻きポン酢に浸け召し上がり下さい。
ふく皮を巻いても美味しいです。
【ふくひれ酒】が出来るまで。その2
【ふくひれ酒】
ふぐ料理に一番合うお酒、【ふくひれ酒】を手間ひまかけて
作る工程を紹介しています。
ふぐヒレの乾燥までを紹介した、その1からのつづきです。
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ふぐヒレを焼く
ひれ酒の味に一番重要な工程で、料理長(ふぐヒレ焼いて20年)が
焦がさず中まで火を通すため、強火の遠火でじっくりと焼き上げます。
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その日の天候やヒレの乾燥具合で焼き加減を変える熟練の技。
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美しいキツネ色に焼きあがったふぐヒレ
駅や空港などのお土産ヒレをご家庭で焼いても、この様には
焼けません。
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いよいよ完成
焼きあがったふぐヒレやふぐ皮を、耐熱グラスに入れ
熱々のお酒を注ぎいれ蓋をします。
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ポイントは沸騰するぐらいに熱くしたお酒を入れる所
ふぐヒレの出汁が良く出ます。
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最後にお客様の前でお酒に火を点けて完成です。
火を点ける事により、アルコールやふぐヒレの余計な香りを飛ばし
飲みやすくします。
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ふぐ専門店のこだわりの【ふくひれ酒】を飲みに来て下さい。
【ふくひれ酒】が出来るまで。その1
【ふくひれ酒】
ふぐ料理と共に飲みたくなる、お酒と言えば
ふぐヒレ・ふぐ皮が入った香ばしく琥珀色した、当店の【ふくひれ酒】です。
手間ひまかけて、お客様に飲んでもらうまでの工程を紹介しようと思います。
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・ふぐヒレの掃除
博多ぼての【ふくひれ酒】は、当店で下処理した天然トラフグのヒレだけを
使用しています。
まず、一匹のフグから取れる五枚のヒレを包丁で一枚一枚、汚れやヌメリを取り除きます。
この作業が重要で、ここで手を抜くと生臭くなります。
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・ふぐヒレの乾燥
丁寧に下処理されたふぐヒレを、戸板に張り乾燥させます。
乾燥させる良い条件は、乾燥した冷たい風が吹く天気の日に
干し始め、一週間から十日陰干しで乾燥させます。
直射日光だと表面だけ乾燥して、芯までなかなか乾きません。
わかり易いように明るいところで撮りました。
ふぐの皮も一緒に乾燥中
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乾燥が終わったふぐヒレは、箱に保管し焼かれるのを
待ちます。
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今回はここまで、次回その2をお待ちください。
豆知識:ふぐの名前
【ふぐ】名前の由来
日本では、縄文時代の貝塚などから多数のふぐの骨などが出土している
事から、数千年以前からふぐを食べていたことになります。
ふぐらしい魚の記録は、『日本書紀』などに記述されており。
はっきりと記録として、ふぐが記されているのは平安時代に編纂された
日本最古の本草書(薬物辞典)『本草和名』に【和名布久】と記されたのが
初めとみられます。
その他には『和名類聚抄』に【和名布久(ふく)、布久閉(ふくへ)】とあり
ふぐの呼称並びに性質などが記されている。
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また【布久(ふく)】の当て字は、ふぐを料理する際にふぐの身を布に巻いて
一晩置いて料理したことに由来する説が有力。
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古代より日本で食用されたふぐですが、その毒の有る性質上あまり広くは
食されないようでした。
しかし江戸時代に入り、その毒性により取締りなど厳しいなか、大衆文化として
ふぐ食が広まり【ふく・ふぐ・ふくへ・ふくべ・ふくとう】などと呼ばれ、地方により
若干ことなる事がある。
現代に至り、江戸時代より関東地方で広く使われた【ふぐ】が現在の
一般的な和名として使われている。
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ふぐの様々な呼び名
地方によりふぐの呼び名が異なる事があり、いくつか例を紹介します。
下関、福岡:ふく
『ふぐ』は「不具」「不遇」に通じて縁起が悪い。しかし『ふく』であれば
「福」につながり縁起がよいため。
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関西(大阪を中心):てっさ、てっちり
ふぐの持つ毒で当ると、命にかかわる事を転じて『鉄砲』、これを
刺身と合わせ短く呼び『てっさ』となる。
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島原(長崎県):がんば
『がんば』とは島原地方の方言で「棺おけを」の意味で、ふぐを食べる時に
棺おけを用意する覚悟で食べたのでしょう。『がんば料理』と呼ばれます。
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まだまだ地方により呼び名が有ると思いますので、コメントで教えて
いただけると嬉しいです。
豆知識:ふぐ毒の話
ふぐ毒【テトロドトキシン】
ふぐは一般的に、高価、旨い、ヘルシーと共に強い毒性を持つ魚
のイメージが有ると思います。
ふぐ毒の科学的な研究は、ふぐを最も食していた日本で明治頃から始まり
明治42年、田原良純博士により世界で始めて毒成分が抽出され、フグの
学名であるテトラオドンと毒素を意味するトキシンに由来して、テトロドトキシン
と命名されました。
ふぐ毒の構造は非常に複雑で、なかなか解明されませんでしたが今日では
化学式:C11H17N3O8
で表されます。
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ふぐの毒性
テトロドトキシンは神経毒で、ふぐ毒摂取による主な症状は
手足や全身の運動神経、血管や呼吸運動神経、知覚神経などを
麻痺させます。
したがってふぐによる食中毒は、まず手足などの痺れから始まり後に全身麻痺を
伴って、最悪の場合呼吸困難に陥り死に至ります。
重症から生還された方の話を本などで読む限り、後半はすさまじく苦しい
という事なので体験したくは無いものです。
ふぐの毒力は、ふぐの種類や部位により違いますが青酸カリの数百倍もの強い
毒力を持ち、大型のトラフグの肝臓でおよそ三十数人を死亡させる程です。
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テトロドトキシンは、無味・無臭で水によく溶けるがアルコールには溶けにくい。
また熱に対する抵抗力も強く、無毒化することは非常に困難である。
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解毒方法
特効薬や特異療法などが存在しないため、解毒方法は見つかってません。
万が一ふぐによる食中毒にかかった場合、一刻も早く設備の整った病院に
行くことが大切です。応急処置としては、消化が進む前に自ら吐き出す
ようにしましょう。
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ふぐの毒には、このような特性が有りますのでふぐ料理を
召し上がる際には、熟練の技術者がいる専門店にお越し下さい。
豆知識【フグ図鑑】
以前に製作したホームページで好評いただいた、
豆知識【フグ図鑑】のページは↓
http://www6.ocn.ne.jp/~bote/main.html
上記ページ内の豆知識をクリックしてください。
世界には色々な種類のフグがいます。