豆知識:ふぐ毒の話

ふぐ毒【テトロドトキシン】

ふぐは一般的に、高価、旨い、ヘルシーと共に強い毒性を持つ魚

のイメージが有ると思います。

ふぐ毒の科学的な研究は、ふぐを最も食していた日本で明治頃から始まり

明治42年、田原良純博士により世界で始めて毒成分が抽出され、フグの

学名であるテトラオドンと毒素を意味するトキシンに由来して、テトロドトキシン

と命名されました。

ふぐ毒の構造は非常に複雑で、なかなか解明されませんでしたが今日では

化学式:C11H17N3O8

で表されます。

ふぐの毒性

テトロドトキシンは神経毒で、ふぐ毒摂取による主な症状は

手足や全身の運動神経、血管や呼吸運動神経、知覚神経などを

麻痺させます。

したがってふぐによる食中毒は、まず手足などの痺れから始まり後に全身麻痺を

伴って、最悪の場合呼吸困難に陥り死に至ります。

重症から生還された方の話を本などで読む限り、後半はすさまじく苦しい

という事なので体験したくは無いものです。

ふぐの毒力は、ふぐの種類や部位により違いますが青酸カリの数百倍もの強い

毒力を持ち、大型のトラフグの肝臓でおよそ三十数人を死亡させる程です。

テトロドトキシンは、無味・無臭で水によく溶けるがアルコールには溶けにくい。

また熱に対する抵抗力も強く、無毒化することは非常に困難である。

解毒方法

特効薬や特異療法などが存在しないため、解毒方法は見つかってません

万が一ふぐによる食中毒にかかった場合、一刻も早く設備の整った病院に

行くことが大切です。応急処置としては、消化が進む前に自ら吐き出す

ようにしましょう。

ふぐの毒には、このような特性が有りますのでふぐ料理を

召し上がる際には、熟練の技術者がいる専門店にお越し下さい。